タイ中銀。バーツ高を懸念
景気はさほど良くないにも関わらず、バーツは強い。「シナ裸官」や「韓国富裕層」の資金が流入しているのか?いや、それだけではないだろう。タイの安定性と融通性が評価されたとみる。
しかし、タイ通貨が強いと、貿易面でタイのHDDや小型自動車などの輸出に支障がでる一方、流入した資金(ホットマネー)は資産市場(債券、株式、不動産)へ向かう。いわゆる「不景気の株高」。
(THBの対ドル相場チャート)

タイ中銀、バーツ高に伴う資金流入への対策を実施
タイ中央銀行は12日、バーツ高を背景にした短期的な投機資金の流入の影響を和らげる措置を講じたと発表し、投機的な取引が続く場合は追加の措置を講じる用意があるとした。これを受け、バーツとタイ株式市場は下落している。
中銀高官は声明で、「中銀はタイバーツTHB=THと非居住者の資金フローの動向を注視している」とした上で、「マクロ経済に好ましくない影響を与えかねないため、バーツが他のアジア通貨と比べて急速に上昇する状況を懸念している」と表明した。
同高官は「タイバーツの見通しは相対的に明るく、投資家が短期の投機目的などで、タイバーツとタイの証券のポジションを増やしている」と述べた。
中銀は7月22日付で、非居住者のバーツ口座(NRBA)と非居住者バーツ証券口座(NRBS)の残高上限を非居住者1人あたり2億バーツ(647万ドル)とし、現行の3億バーツから引き下げる。
タイで発行された債券を保有する非居住者に対し報告義務も強化した。中銀の発表を受け、バーツは20ベーシスポイント下落し、1ドル=30.91バーツ。バーツは今年対ドルで5.5%上昇し、アジア通貨で上昇率トップとなっている。タイ株式市場.SETIは0.5%安。今年は11%値上がりしている。
市場関係者は、今回の措置について、資金流入に短期的な影響があるだろうと指摘。一部の市場関係者は中銀が利下げすべきだとの見方を示した。タイ中銀は昨年12月の利上げ後、政策金利を1.75%に据え置いている。
タイ中銀のウィーラタイ・サンティプラポップ総裁は8日、同国へのホットマネーの流入に不満を持っていると発言。資金流入が異例の高水準に達すれば、行動する用意があると述べていた。
本当は日本円がもっと強くなってもいいはずなのだが、日本政府いや日本人には危機意識が少なく、コンティンジェンシープランがほとんどない。つまり、リスク管理が脆弱にすぎるのだ。例えば、中東で紛争が起こってホルムズ海峡が封鎖されたらどうなるのか?日本円にはこういったリスクが潜んでいる。
ならば、ユーロやドル、円に欠陥が存在するならば、資産はバーツに分散させようというわけだ。
個人的にはバーツが対円で3.5円をキープするならば嬉しい。
しかし、タイ通貨が強いと、貿易面でタイのHDDや小型自動車などの輸出に支障がでる一方、流入した資金(ホットマネー)は資産市場(債券、株式、不動産)へ向かう。いわゆる「不景気の株高」。
(THBの対ドル相場チャート)

タイ中銀、バーツ高に伴う資金流入への対策を実施
タイ中央銀行は12日、バーツ高を背景にした短期的な投機資金の流入の影響を和らげる措置を講じたと発表し、投機的な取引が続く場合は追加の措置を講じる用意があるとした。これを受け、バーツとタイ株式市場は下落している。
中銀高官は声明で、「中銀はタイバーツTHB=THと非居住者の資金フローの動向を注視している」とした上で、「マクロ経済に好ましくない影響を与えかねないため、バーツが他のアジア通貨と比べて急速に上昇する状況を懸念している」と表明した。
同高官は「タイバーツの見通しは相対的に明るく、投資家が短期の投機目的などで、タイバーツとタイの証券のポジションを増やしている」と述べた。
中銀は7月22日付で、非居住者のバーツ口座(NRBA)と非居住者バーツ証券口座(NRBS)の残高上限を非居住者1人あたり2億バーツ(647万ドル)とし、現行の3億バーツから引き下げる。
タイで発行された債券を保有する非居住者に対し報告義務も強化した。中銀の発表を受け、バーツは20ベーシスポイント下落し、1ドル=30.91バーツ。バーツは今年対ドルで5.5%上昇し、アジア通貨で上昇率トップとなっている。タイ株式市場.SETIは0.5%安。今年は11%値上がりしている。
市場関係者は、今回の措置について、資金流入に短期的な影響があるだろうと指摘。一部の市場関係者は中銀が利下げすべきだとの見方を示した。タイ中銀は昨年12月の利上げ後、政策金利を1.75%に据え置いている。
タイ中銀のウィーラタイ・サンティプラポップ総裁は8日、同国へのホットマネーの流入に不満を持っていると発言。資金流入が異例の高水準に達すれば、行動する用意があると述べていた。
本当は日本円がもっと強くなってもいいはずなのだが、日本政府いや日本人には危機意識が少なく、コンティンジェンシープランがほとんどない。つまり、リスク管理が脆弱にすぎるのだ。例えば、中東で紛争が起こってホルムズ海峡が封鎖されたらどうなるのか?日本円にはこういったリスクが潜んでいる。
ならば、ユーロやドル、円に欠陥が存在するならば、資産はバーツに分散させようというわけだ。
個人的にはバーツが対円で3.5円をキープするならば嬉しい。
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シティバンク、19年のタイGDP見通しを下方修正=前年比3.3%増に
米シティバンク(タイランド)は11日、2019年のタイ国内総生産(GDP)成長率の予測を従来の前年比3.8%増から3.3%増に下方修正したと発表した。米中貿易摩擦や世界的な景気減速に伴う輸出の落ち込みに加え、国内投資が伸び悩んでいることが背景。
シティバンクは、下半期には輸出や観光産業が年初から上向くとの見込みを示した。ただ、バーツ高は来年初頭まで進行が続き、バーツ相場は米ドル比で1ドル=31.20~31.50バーツ程度で推移すると予想している。
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景気減速中のタイだが、ムーディーズは格付け見通しを「安定的」から「ポジティブ」に引き上げた。格付け自体は「Baa1」で据え置いた。
ムーディーズは、予想可能で安定的なマクロ経済環境が長期的に続く中で、物的・人的資本への投資が時間とともにタイの競争力を強化する可能性があると指摘。高齢化社会の進展などに伴うマイナス要因を一部相殺する可能性があるとした。
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今年のコメ輸出量800万トンに。バーツ高、輸入国はベトナム産にシフト
23日付のタイ英字紙バンコク・ポスト(経済2面)によると、タイ・コメ輸出業協会のチューキアト名誉会長はバーツ高に伴う国際市場での競争力低下を受けて、今年のタイ産米の輸出量は目標の900万トンを大きく下回り、800万トン近くにとどまるとの見通しを示した。特に白米の輸出が急減しているという。
同名誉会長は、長期化するバーツ高により、タイ産米が他国産米に比べ割高となる中、タイ産白米の輸出量は昨年の549万トンから35%減の水準にとどまる見込みだと指摘。「タイ産米の注文は現在、活気に乏しい。9月末までの合計輸出量はたった600万トンだ」と述べた。同国のコメ輸出量は通常、年間平均1000万トンで、そのうち半分が白米となっている。
タイ産の白米(5%破砕米入り)の本船渡し(FOB)価格は現在、1トン当たり400ドルだが、ベトナム産は同320ドルとなっている。同名誉会長は、ベトナム通貨(ドン)は昨年来、極めて安定しているとした上で、「バーツ高を考えれば、フィリピンやインドネシア、マレーシアなどの輸入国が、コメの購入先をタイからベトナムにシフトするだろう」と話した。
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URL :
- NINJA300 - 2019年07月15日 16:32:22
(1)「タイ・バーツ投資抑制策」の強化として、非居住者のバーツ口座(NRBA)と、非居住者のバーツ建て証券口座(NRBS)の残高上限を、7月22日から1人当たり3億バーツから2億バーツに引き下げる
(2)タイ国内で発行された債券などの非居住者による保有高の報告要件を7月から強化
(3)もし投機的な動きが続く場合、追加対策を導入を用意。
正直、投資家がタイへ資金を置きたがる気持ちがNINJA300にはわかる。
アメリカは規制が強い。タイはいざとなればタイ国内で資金を使えばいいという安心感がある。なんといっても、ASEANの雄だ。